大衆薬のインターネット販売、すべて解禁する?

(日経「春秋」2013/11/7付) 「ゆうべはどこにいたの?」「そんな昔のことはおぼえていない」。スクリーンのボギーはため息が出るほどニクい。この伝でいけば5カ月前など大昔で、忘却のかなただろうか。さる6月5日、首相は成長戦略第3弾をぶち上げた。そのときに安倍さんは大衆薬のインターネット販売について「消費者の安全性を確保しつつ、しっかりしたルールのもとですべて解禁する」と言ったのだ。ところが、医療用から市販に切り替わった薬は最長3年間、ネットでは売れない。「劇薬」5品目はネット販売を禁じる。「消費者の安全性を確保しつつ」という枕ことばがくっついてはいた。しかし、それでも「すべて」とは「すべて」のことだ。99%をすべてとは言わない。アベノミクスで大事なのは成長戦略。安倍さん自身がこう力説しているのに。
(JN) 日本人は安倍さんばかりでなく忘れやすいから、国民は「そんな昔のことおぼえていない」から大丈夫だよ。情けない話だが、忘れていた。また、安倍さんの歯切れの悪い説明にごまかされそうだ。既存の薬局が押し切ったのか。薬を必要とする人よりも、お金を出してくれる資本集団を大事にしたわけだ。それに理由をつけて行けばよい。騙される国民がこれを選択したのである。このことをまた私たちはボギーのように忘れないようにね。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62224790X01C13A1MM8000/