景気回復を願う多くの有権者の味方あっての勝利

(日経「春秋」2013/7/23付) 臥薪嘗胆「がしんしょうたん」難しい四字熟語であるが、よく使われる。我慢、我慢のイメージが共感を呼ぶからかもしれない。参院選までは臥薪嘗胆だ。首相に憲法改正など安倍カラーを発揮してもらうためには参院選にも勝たないとダメ、それまではつらいけれど我慢だという安倍ファンの声である。その参院選自民党は圧勝した。さてご本人はどうだろう。そもそも今回の選挙では首相もイデオロギー色の強いテーマを前には出さず、もっぱらアベノミクスへの期待を引き寄せて勝った。熱心なシンパだけでなく、景気回復を願う多くの有権者の味方あっての勝利だったはずだ。ならば選ぶ道は限られる。失われた20年の臥薪嘗胆にこそ報いてほしいと願う、世の声でもあろう。
(JN) 戦後日本は、経済力を延ばすことでどん底から這い上がってきた。これからも、日本は経済力を中心としてでやって行かねばならないのか。臥薪嘗胆の上、我々は良い生活条件を得られるのであろうか。ずっと我慢するようなアベノリスクになりはしないか。強者のための自民党になるのか否か。それよりなにより、我慢できず安倍カラーを発揮しちゃうかもしれない。それを制することができるのは、今となっては野党にはその力はない。それを選んだのは、投票した者と投票しなかった我々国民である。臥薪嘗胆は終わるのか、あと3年ですむのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57635780T20C13A7MM8000/