政府は一般用医薬品のネット販売解禁を決めた

(日経「春秋」2013/6/7付) 目の錯覚や思い込みを利用した、だまし絵と呼ばれる絵画をご存じの人は多いだろう。もしかして、これもそのたぐいでは……。薬のインターネット販売のことである。政府は一般用医薬品のネット販売解禁を決めた。市販薬のうち、じつに99%が対象になるという。解熱鎮痛薬「ロキソニンS」など残り25品目は秋にも対応を決めるそうだ。ほとんど全面解禁だ。安倍首相も成長戦略の目玉として高らかに解禁をうたい上げた。くだんの25品目には売れ筋の品が多く、販売額では第1類医薬品の半分近くを占めるという。これが対象から外れるなら、話の値打ちがだいぶ落ちることになる。しかも25品目を、医師の処方箋がないと買えない薬に逆戻りさせる案まで浮かんでいるらしい。そうなれば店頭でも買えなくなるから、規制緩和が一転する不思議な図である。まだまだどんなトリックが隠れているか、やはり目を凝らしておいてもいい。
(JN) 誰のための規制緩和か。規制緩和でないのか。利権が絡み、それぞれのパワーが裏にあり、政治家はそれを敏感に捉えながら一般大衆の票も読んでいるのか。大したもんである。大衆にはトリックである事すらわからない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55941250X00C13A6MM8000/