「靖国とアーリントンを一緒にしないで」

(日経「春秋」2013/10/5付) 千鳥ケ淵戦没者墓苑はアーリントン国立墓地に「最も近い存在だ」――。米国のケリー国務長官ヘーゲル国防長官が千鳥ケ淵墓苑に献花したことに関し、米国防総省高官はこう述べたそうだ。5月の安倍晋三首相の発言と引き比べると、そのメッセージはよくわかる。「靖国とアーリントンを一緒にしないで」と、行動で伝えたわけだ。同時に、安倍政権を警戒する中国や韓国へのメッセージでもあろう。キリスト教、仏教、ユダヤ教イスラム教、ヒンズー教……。同墓地のウェブサイトを訪れると、様々な信仰のシンボルが目に入る。政府が用意する墓石に刻むことが可能なシンボルの一覧なのだという。一方の靖国は一つの宗教法人であり、同墓地になぞらえるのはやはり無理がある。安倍さんの言動によっては、日米同盟に対する米国内の支持も一部損ないかねない、そんな懸念をオバマ政権は抱いたのかもしれない。両長官は米国民向けにメッセージを発したようでもある。高等なコミュニケーション戦術といえようか。
(JN) 日本人は宗教というものを理解していないのかもしれない。都合良く多くの神様を使うが、全ての神様を信じることはできないであろう。一人一人がそれぞれに信じる宗教をもっていれば、他の宗教を認めず、国が押し付ける宗教に対して反対が起きようが、信ずるものがなければ無関心である。自分の短い人生でもひどいものである。毎年、正月は神社へ行き、12月24日にはケーキを食べ、幼稚園はカトリック、結婚式は神前、それでも宗教は曹洞宗である。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60673550V01C13A0MM8000/