うまい日本のコメに未来はある

(日経「春秋」2013/10/28付) 「力業をする人が三膳の御飯のたべられぬと言ふ事はなし」(樋口一葉にごりえ」)。3杯とは、現在なら誰もが持て余そう。しかし明治時代にはコメを毎食このくらい食べるのは珍しくなかったという。かつて、コメは年に1石で、1人が1年間に食べる量とされた。およそ150キログラムである。それが大きく減り始めたのは高度成長期からだ。かたや反当たりの収量はどんどん増え、コメ余りが広がるなかで政府は1970年に減反政策を始めた。以来40年余、この政策で人為的に米価を維持してきたわけだが、ようやく見直しに乗り出すという。やる気のある生産者が育たない。消費者がツケを払わされている。しかしこんな政策はやはりもう限界だろう。毎食ご飯3杯の時代には戻れないとしても、うまい日本のコメに未来はある。守りの農業を攻めに転じられぬということはなし。
(JN) 本当にお米を食べなくなった。当方は健康面のあるので、炭水化物を取るのは昼食が中心である。この昼食で、蕎麦やパンを食べれば、その日は米を食べないことになる。日本人はラーメンやパンが大好きであり、更に米を取らなくなった。遥か40年ほど前であれば、ラーメンライスもあったが、最近の若者はそういった食事をとるのであろうか。そんな食生活の変化の中、生産に関する政策は変わらぬものであった。保護すれば、生き残るが力はつかない。強い農家を育てるという目的に従って、攻めの農業が発展することを望む。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61722420Y3A021C1MM8000/