「アニメの県」 埼玉

(日経「春秋」2013/10/27付) 「エースをねらえ!」「クレヨンしんちゃん」「ルパン三世」「らき☆すた」。これら人気の高い漫画やアニメの共通点は何か。何らかの形で、すべての作品に「埼玉県」が登場するのだ。郊外に住む作家が描き、やはり郊外の若者が楽しむ。いま、舞台となった県内のごく普通の街に、全国からファンが訪れるという現象が広がっている。ある作品の舞台になった神社では、正月三が日の初詣客がアニメ放映前に比べ5倍に増えたそうだ。作品の舞台を訪れる行為をファンは「聖地巡礼」と呼ぶ。大勢の人が訪れ、普通の街が特別な場所になる。店が並び、地元民とよそ者が交流する。やがて地域が独自の魅力を獲得するというわけだ。先日、埼玉県自ら「アニ玉祭」なる催しを開き、雨の中で6万人を集めた。全国から人を呼べる史跡や名勝に乏しいとの危機感が「アニメの県」との売り出し方を生んだ。伝統がないなら自分たちで作ろう。そんな心意気も感じる。
(JN) アニメ、これほどの人気があるのか。実は本学の大学祭の今回のコンサートはアニソンの歌手らしい、これが前売り券の売れがすごいという。そんなアニメのおかげででも、自分たちの住む場所やその歴史に関心を持つ端緒を作ってもらても良いのではないか。ここでの埼玉県は新しく来た人たちが多いので、その埼玉県を知ってもらい、新しい埼玉を考えてもらおうではないか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61701030X21C13A0MM8000/