皇室を無用の対立に巻き込むことになる

(日経「春秋」2013/9/4付) 皇室を政治に利用してはいけないという一線である。高円宮妃久子さまが7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席し挨拶されるという。演壇に久子さまが立てば何を話されようと東京のPRになる。皇室に政治活動はできない。させてもいけない。これは憲法のいう象徴天皇制の要だ。ならばどこまでが許されるのか、じつははっきりしない。だったらなおさら厳しく線を引かないと皇室を無用の対立に巻き込むことになる。開催に賛否があった4月の主権回復式典に天皇、皇后両陛下が出席されたことが記憶に新しい。下村博文文科相は、「オリンピックは平和の祭典、スポーツだから(皇族の出席は)政治利用ではそもそもないと思う」と言っている。でも、残念ながら、ブエノスアイレスで待つのは平和の祭典ではない。激しい招致合戦なのである。
(JN) 皇室は利用するものではなかろう。これは右も左も同様の考えであろう。いや、そう考えない人もいるかもしれないが、皇室は定められたところに従い皇室が必要とする活動をするのであり、政治家や行政が動かしてはならない。ましてやその行動が何かを左右させることなど、以ての外ではなかろうか。慎むべきであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59276700U3A900C1MM8000/