「何も分らない。分らないが考えなければならぬ」

(日経「春秋」2013/7/22付) 「誠実にして叡知(えいち)ある、愛国の政治家出でよ」。(映画「風立ちぬ」の主人公堀越二郎は昭和20年8月15日、「終戦日誌」)新しい時代に向けた政治家への期待で結んでいる。所沢市所沢航空発祥記念館に展示されている。読んで気づくことがあった。いつの時代もわれわれが政治家に求めるのは誠実、叡知、愛国なのではないか。愛国には「まっとうな」の形容が欠かせぬにしても、である。42歳の堀越にとっての敗戦は、何より「飛行機を造ることが終った」ことだった。それ以外は「何も分らない。分らないが考えなければならぬ」と記している。今の世にも考えなければならぬことはたくさんある。まずは投票しなかった人々のことである。誠実、叡知、愛国の政治家が競い合ったのだとすれば、多すぎる。
(JN) 昨日も申したが、投票すべき人がいないとか、どうせ投票してもというが、その政治不信を作り出すのは政治家ではなく、自分達有権者の責任である。私たちは、投票すること、税金を納めること、奉仕をすることなど、市民としての感覚を持ち合わせていない人が多い。御上は我々に自由などを与えてくれない。自分たちで義務を負い、闘わなければ自由はやってこない。せめて投票をまずしましょう。我々が「誠実にして叡知(えいち)ある愛国の政治家」を出して行くのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57585890S3A720C1MM8000/