甘い言葉も、逆にむやみに勇ましい言葉もいらない

(日経「春秋」2012/9/27付) 「ガツンと大きな音がした後、空中に体を投げ出された」と乗客。神奈川県横須賀市で起こった京浜急行脱線事故では、重傷者を含め20人を超す人々がけがをした。都市は自然をねじ伏せ成り立っていると改めて感じる。古地図研究家、芳賀ひらく氏の近著「江戸の崖(がけ) 東京の崖」によれば、オフィス街や住宅地にも危ない斜面は多い。宅地造成のために全国の都市近郊で山を削ってきた。「国土の均衡ある発展」を目指し、道、橋、家、公共施設を造り続けた日本。そうしたもろもろを、すべて今まで通りに維持するのは難しい。どの社会基盤をあきらめるか、納得できる基準作りを始めた民間の政策研究所がある。かつての政治家のような甘い言葉も、逆にむやみに勇ましい言葉もいらない。現実をきちんと説明し、実現できる未来図を描き、人の心に届く言葉で語る。そうした力の有無が試される。
(JN)政治家自身や党としての原理があるだろうが、まずは現状を捉えてほしい。況してやリップサービスや攻撃的な演説はいらない。私たちが最低限生命を保持できる環境整備を基礎から整えるべきであろう。そういう人をと投票してきたが、37年間騙されていることは悲しい。今後、せめて若い政治家の中に将来を語り、党を動かせる人が一人でも二人でも出ないことか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46593710X20C12A9MM8000/