ずるずるに任せれば気づいた時には大切なものがうせている

(日経「春秋」2013/7/1付) 「半分」と酒を頼む客が飲み屋にときどきいる。酒が過ぎぬようこまめに自分を診断する呑兵衛(のんべえ)の知恵か。その知恵にならえば、時もずるずる流れるよりいくつも区切りがあった方がいい。きょう、ことしの後半が始まる。そして20日後は参院選である。思い出すのも腹が立つが、先週の国会の終わり方はひどかった。大事な法案はほったらかしで参院を舞台にただ互いの足を引っ張り合う。それなら政党でなく徒党と呼ばねばならぬ。それでも「絶望」は禁句であろう。落語にも「もう半分」という噺(はなし)があって、「もう半分」を重ねたじいさんが酔って虎の子の大金を奪われてしまう。酒も時の流れも、ずるずるに任せれば気づいた時には大切なものがうせている。今度の参院選には国会の半分でなく政治の全部がかかる。絶望で国の将来は決められない。
(JN) 特に若者よ、投票する人や政党がないから投票に行かないというが、それは正にずるずると既存政党へのおまかせであり、市民ではなく投票権を持たぬ奴隷である。世の中景気が良くなっていると思わせられているが、本日から値上げするものも出ているように、一般消費者は生活に苦しむばかりである。全てを向上させることは無理だろうが、大事なものを活かしてくれる政治家や政党を見出し、投票することをして欲しい。それとも、今の60〜70歳代の者があの若かったころのように闘争を行いましょうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56821900R00C13A7MM8000/