「ボール紙の男たちより、鉄の女の方がよっぽどましさ」

(日経「春秋」2013/4/10付) 「ボール紙の男たちより、鉄の女の方がよっぽどましさ」。イギリスの総選挙でサッチャーさん率いる保守党が勝った日の夜の景色を、「ヨーロッパ」(F・ルイス著)はそんな逸話で伝えている。サッチャー元英首相の訃報にあらためて思う。「鉄の女」の名づけ親は旧ソ連軍、サッチャー流にいえば「赤軍」の機関紙である。右手に信念、左手に不屈を掲げ、妥協や融和は捨て去って前へ進む。そのやり方には、政権を失って20年以上たった国内になお好悪ひしめくという。ただ、英国で初めての女性宰相が冷戦末期という激動の世界に刻んだ足跡は永く消えまい。それは、ボール紙の男たちが今よりずっと幅を利かせていたころの話なのである。
(JN) 「鉄の女」はやはり実行力・決断力があった。腐敗しきった英国財政の立て直し、フォークランドを守った。これだけの人材はその後、英国からは出ていない。わが国の首相も、近年、これほどの力を持った者は出ていないのではないか。場合によっては、「奥様の方が素晴らしい」とい首相も?それではボール紙ではなく、チリ紙の男になってしまうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53805680Q3A410C1MM8000/