株高が「期待外れ」に終わった場合の反動が気になる

(日経「春秋」2013/4/8付) 株式投資セミナーがにぎわっているそうだ。20代の、初心者とおぼしき人たちの姿も目立つ、と耳にした。昨年の11月14日に当時の野田佳彦首相が衆院解散を明言してから、日経平均は実に48%上がった。安倍さん、いまや首相として株高の追い風を満帆に受けている。自分のふところ具合は相変わらずだけど、周りから景気のいい話が聞こえてくるので安倍政権を評価する、という人もいるだろう。少なくとも野田政権に比べ市場に好かれている、とはいえる。景気という言葉、分解してみれば景色の「景」と気分の「気」。要するに見た目と心持ちの組み合わせだ。経済学でいう「期待」という言葉にどこか通じている気がする。株高が「期待外れ」に終わった場合の反動が気になる。こんな不安もやはり、景気の一部なのだろう。
(JN) 形のない金融市場、ある程度の時間と広さにおいては、理論的な流れになるが、短期的な動きはちょっとした誰かの言葉で動く。その動きが泡のように膨れ上がれば、いつか破裂する。その破裂がどこで生じるかわからないので、膨らみ続けて「バァーン」。金融市場の混乱は人の命を奪う。そこを十分に考えて政府も日銀も、そして我々個人も理解しなければならない。景気よく、儲けの誘惑に負ける勿れ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53712500Y3A400C1MM8000/