バラマキというのでは地方に熱さは戻らない

バラマキというのでは地方に熱さは戻らない
(日経「春秋」2014/8/23付) お盆を過ぎたのに連日の猛暑、どうか熱中症にご注意を……などと残暑見舞いの文句を書きかけて、いや違うと筆を止めた関東在住の方は少なくあるまい。景気のほうも首都圏と地方ではずいぶん様子が異なるようだ。もともと都市部より賃金が低く、それなのにじりじり上がる物価は地方にも容赦がない。おまけにクルマに頼る暮らしだから、ガソリンの高騰が財布にこたえる。そんな事情が重なって東京と地方の乖離(かいり)が広がっているらしい。こんどの消費税アップの影響は軽微、と見定めたい政権にとってはとりわけ悩ましい話だろう。来月初めの内閣改造を控え、この週明けからは政治がそろりと動き出す。こんな景色を目にしては、かねて「全国津々浦々に景気回復の実感を」と唱える安倍首相としても「地方創生」にいよいよ力が入ろうというものだ。さてしかし、中身は何をどうするか。全国津々浦々にバラマキというのでは地方に熱さは戻らない。
(JN) 結局は、票稼ぎの政なのか。この日本の国民のための政策ではなく、目先の手を替え品を替えに過ぎない。国の借金のため犠牲を弱者に負担させながらも、それを負担に思わせない、その努力は何のためなのか。この社会、人と金が動いていなければならない。金はばら撒けるが、人はばら撒けない。地方に熱さを戻すのは、この人である。それは箱ものではなく、人のための人の動きである。地方の街で人を動かすことのために、私たち自身で考え行動するために行政を使えないか?
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