風蕭々としてエキスイ寒くてね

(日経「春秋」2013/4/3付) みずから退路を断つ。こういう壮士風が日本人は昔もいまも嫌いではない。日本維新の会が初の党大会で承認した新しい綱領も「風蕭々……」の気分だろうか。いわく「日本を孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家・民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」。もとはずっと穏当な表現だったのを、共同代表の石原慎太郎さんが手を入れたという。維新の綱領は、「開かれた社会」「勤労世代を元気に」などという今風の言い回しが出てくる。こちらは橋下徹大阪市長率いるグループのセンスだろう。木に竹を接いだ、「風蕭々としてエキスイ寒くてね」といった文章でも読まされている感がある。衆院に54議席も持つこの党のすがたがつかめない。
(JN) 政策よりも勢力、党の在り方であろうか。矛盾集合体は勢いのある時は良いのだが、一度下り始めると民主党のように離党続出となる。退路を断っていれば、離党などないはずであろうが、どうなのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53539790T00C13A4MM8000/