この2人、無理があるよな

(日経「春秋」2014/5/30付) 「僕たち、きれいに別れよう」。日本維新の会の分党を石原慎太郎氏はこんなふうに持ちかけたそうだ。世間は「この2人、無理があるよなあ」と思って見ていたからそんなに感動したかどうか。役者は両方とも大物で、なかなか力んだ芝居が続くのだが見るほうは白けてしまう作品でもある。上映中なのに帰りじたくを始める人も多いに違いない。面白いのはこれからさ、という見巧者の声も聞こえる。「橋下維新」が結いの党と合体するのは確実で、そうなれば民主党と肩を並べる野党になりそうだから政界再編に弾みがつくというのだ。きのうの石原氏の記者会見はその独擅場(どくせんじょう)だった。現行憲法の「醜悪な前文」をやっつけ、自主憲法制定へのたぎる思いをぶちまけ、ファンはさぞ留飲が下がっただろう。氏が名古屋へ向かうとき、同志らは日の丸に寄せ書きをして渡したそうだ。この場面はメロドラマでなく古色蒼然(そうぜん)の戦記ものである。
(JN) なぜ、慎太郎氏のような年寄りがまだ世を賑わすのか。もう、過去を引きずる者にものを言わせて楽しむのをやめてもらえないか。若い人とは言わなくとも、40代や50代の人たちに、現実と未来を任せることが大事だ。後期高齢者の方々は、時事放談などで自由におしゃべりいただこう。勿論、年齢による差別はできないので、有権者がこういう人たちを選んでいる限り、ご活躍いただいてよいわけであるから、若い有権者たちが未来を考えた投票をして行くことが肝心なのである。若者たちよ、何時までも年寄りがのさばっていてい良いのか。年寄りを大事にして、使い方を考えてはどうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO72002860Q4A530C1MM8000/