菅さんに引導を渡せぬ民主党

(日経「春秋」2013/7/26付) 落語の傑作の印象が強いせいか、起請文(誓約書)と聞くとただの紙っ切れと思ってしまう。「三枚起請」である。真の起請文に漂う緊張感はさすがに違う。土佐の西洋砲術家に入門した坂本龍馬らが血判つきで名を連ね、流派の技術を外に漏らさぬことを誓った長さ13メートルの巻物が見つかった。「日本を今一度せんたくいたし申候」、3年前の参院選前のテレビCMにシーツのような白布をゴシゴシ手洗いする男が登場した。当時の民主党代表・菅直人氏である。今回の選挙では公認を差し置き無所属候補を応援した。菅さんに引導を渡せぬ民主党にもわが身の汚れさえ落とす力がないようである。激減したとはいえ参院選でこの党に入れた人々が気になる。一杯食ったと知って意趣返しをしようにも、泣き寝入りするしかない。
(JN) 離党が得意な民主党員、今度はどこへ行くのやら。いや、せっかく入ってもらっても約束を裏切り、追い出すこともある。急成長の組織は事故が生きやすい。じっくり考えと技術を高めて行くようにしないと、中国やスペインのように脱線してしまう。民主党の場合には、満員の列車から乗客を振り落とし、運転手や車掌が客席でのうのうとしている状況であろうか。この列車の線路はどこに向かっているのか、わからない。洗濯の余地がない?誤字で申し訳ない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57770470W3A720C1MM8000/