沖縄にとって「4.28」は本土から切り離された日

(日経「春秋」2013/3/27付) 慶良間は那覇市の西約40キロに浮かぶ島々である。世界有数の透明度を誇る海に潜ると、米軍によって豪雨のように降り注がれた焼夷(しょうい)弾の燃え残りがる。米軍が1945年4月1日、沖縄本島に上陸したからだ。だが慶良間ではそれに先立つ3月26日に本格的な戦いが始まっているが、我々は4月1日が米軍上陸の日としている。サンフランシスコ講和条約で日本が国際社会に復帰した4月28日を「主権回復の日」とし、式典を開くと政府が決めた。しかい、沖縄にとって「4.28」は本土から切り離され、米国の支配下に置かれた日である。日本は米国に占領されていたと聞いて驚く人がいる。だから現代史に触れる式典の意義はあるのだろう。ただしそれは、様々な苦難の道を歩んだ人たちの思いを理解したうえでなければなるまい。
(JN) 日本人は過去を水に流すことが得意であるが、戦争の体験は水に流してはならない。また御国の繁栄のために犠牲になった沖縄を引き続き犠牲にして行って良いのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53264130X20C13A3MM8000/