日本を好きになってもらうこと

(日経「春秋」2013/2/20付) 「富士山を国立公園に、瀬戸内海を一大遊覧地帯にして、世界中から外国人客を呼び込めないものか」。日露戦争が終わったころ、木下淑夫という鉄道官僚は、留学先の米国でそんな構想を立てて政府に建白書を送った。諸外国は、日本を文明の未発達な一小国としか見ていない。どうしたら日本を知ってもらえるのか。実際に日本に来てもらうのが一番だと考え、気宇壮大な建白書を出したのは、外貨獲得というよりも日本が世界から理解されないもどかしさからだったのだろう。瀬戸内などの観光開発は当てにしていたロシアからの賠償金が支払われなかったため頓挫。それでも日露戦争終結から7年後の1912年に、JTBの源流の「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」創設にこぎつけた。日本を好きになってもらうことは今も外国人客誘致の大きな狙いだろう。
(JN) 日本は治安が良く、世界中の料理が美味しく食べられる。自然は美しく、交通の便は良い。こんな良いところはそんなにない。しかし、日本は物価は高いし、世界の端にあり、また文化を理解されていない。とにかく、来てもらわねば始まらない。とにかく、日本を好きになってもらい、味方を増やそう。そのためには、異文化を貴ぶ心も必要である。受け入れる心が我々にはできているのか。国は小さくとも、人々の心は大きくなるように、ルサンチマン根性を無くそう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51927310Q3A220C1MM8000/