どことも違う一段上の日用品という道を日本車は切り開けるか

(日経「春秋」2012/12/2付) 男性のしぐさで、かっこいいと感じるものは何ですか。女性にこう尋ねると、定番の答えの一つが「車庫入れする姿」だそうだ。車庫入れでうっとりしてもらえるのも長くないかもしれない。運転席から振り向くと、背後の様子が地面も含め見える。そんな装置を慶大が開発した。この技術、日本のオタク文化から着想を得たと。海外でも人気の高いSF漫画「攻殻機動隊」に登場する、人の姿を消す未来技術をヒントにしたそうだ。かつて、車は地位の象徴であり酔いしれる対象だった。今、優れた日用品として進化を始めたと、デザイナーの原研哉氏は著書「日本のデザイン」で語る。今回の「透視」技術はトヨタ自動車の依頼で生まれた。高級感の欧州、大型車の米国、安さのアジア。どことも違う一段上の日用品という道を日本車は切り開けるか。
(JN) 夢や憧れを技術にて現実に変える。昭和の時代は憧れの米国を夢見て追いつけと頑張ってきた。その後、バブル景気が裂け、長期不況、ゆとり世代が社会へ出ていく。今、我々はどのような夢を見たら良いのか。日本の若者には、いつまでも日本という枠に囚われることなく、自由に考え、不可能を可能して行ってもらいたい。日本のためではなく、私たちが生きて行くための可能性を拓いていくべきであろう。それは男のしぐさで女性が「かっこいい」と感じることをすべて消し去ってしまうのか、それとも社会の価値観が変わっていくのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49077360S2A201C1MM8000/