首都の「顔」選ぶ大事な選挙だ

(日経「社説」2012/12/1付) 東京都知事選が始まった。衆院選の陰に隠れがちだが、首都の「顔」を選ぶ大切な選挙だ。石原慎太郎前知事の路線を継承するのか否かが、最大の争点になる。先進的な環境政策などに指導力を発揮した前知事だが、設立早々に経営悪化した新銀行東京の扱いなど様々な課題も残した。石原前知事の後継候補である猪瀬氏は銀行の存続を主張し、他の候補は清算などを求めている。五輪招致やエネルギー政策なども争点になる。尖閣諸島の購入に向けて集まった15億円近い寄付の扱いも宙に浮いている。豊かとみられている東京でも生活保護の受給者が急増し、若年層の失業率は高い。都は保育所の整備に力を入れているが、待機児童数も高水準で推移している。首都直下型地震に備えた対策もこれからが本番だ。東京は日本経済の最大のエンジンである。各候補者には東京の活力をどのように維持し、国際競争に打ち勝つのかも聞きたい。都知事は首相に次ぐ権限があるともいわれている。衆院選と同日選になるが、有権者は各候補者の主張にしっかりと耳を傾けてほしい。
(JN) どの候補も、自分のすべての考えを満たす者はいないであろう。また並んでいる顔が多く、似ているところもある。バックの政党も気になる。とにかく自分の票が勝者になるか否かではなく、一番託したい人に投票しなければならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49032530R01C12A2EA1000/