あすから一般公開、東京モーターショー

(日経「春秋」2013/11/22付) 1957年に東京・日比谷公園の広場で開いた第4回自動車ショーは、新顔の参加が目を引いた。オフィス家具の大手メーカーの岡村製作所が、自前で作りあげて出展したのは当時の先端を行くオートマチック車だった。岡村製作所終戦の年に航空機メーカーの技術者たちが資金を出し合って設立した。食べるための家具生産を軌道に乗せた後も、「動くもの」への情熱は断ちがたかった。お金がかかりすぎて生産はやめたが、技術者魂を今日に伝える一こまだ。新たな挑戦者の登場が産業を活気づかせる。昔も今も変わらない。東京モーターショーは、見どころの一つは新規参入企業のクルマづくりへの意気込みだ。技術者のリーダーとして岡村製作所を創業した吉原謙二郎氏は「協同の工業」を会社の理念に決め、看板にも書いた。電気自動車や燃料電池車の開発は電池や素材メーカーとの連携が大事になっている。チームワークにも目を凝らしたい。
(JN) 十代のころは自動車大好きで、毎年、モーターショウに行っていた。新たな試みの車が楽しみであった。あのころは晴海の国際見本市会場であったか、とにかく、成長する日本の象徴でもある自動車の人気か、満員の中を一生懸命見ていた。アジア諸国の自動車など足元にも及ばず、米国に切り込みをかけようと勢いがあった。1ドル360円であったあの頃、円は3倍以上の価値向上であるが、我々の意欲はそれ以上にならなば世界資本主義の中では縮小してしまう。久しぶりに、技術者たちの意気込みを見に行きたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62966420S3A121C1MM8000/