避暑のためにはまず「避社」を

  • (日経/春秋 2012/7/29付) 明治になって日本にやって来た外国人たちは、夏の暑さと湿気にほとほと閉口した。それで「発見」したのが軽井沢や箱根、六甲山、雲仙といった高原の保養地であった。「ホテルのテラスにはいつも外国人たちが英字新聞を読んだり、チェスをしていた。テニスコオトの附近は、毎日賑(にぎ)やかで、まるで戸外舞踏会が催されているようだった」(堀辰雄の短編「麦藁帽子」の一節)。ここまで優雅な夏休みはかなわぬにしても、今年は信州の高原や北海道にゆっくり滞在する旅行が人気らしい。パンフレットを眺めてみたら、ロングステイと銘打ちながら3泊や4泊のプランがならんでいる寂しきニッポンである。オレが休めば会社が回らぬ、と頑張ってしまうオジサンが多いせいかもしれない。避暑のためにはまず「避社」を、さして会社は困らない、とわが胸にも言い聞かせておこうか。
  • (JN)私たち日本人は何のために働いているのであろうか。ただ働くために働いているのか。職場とは違う世界を持たないと、定年退職後の悲惨さよ。人生を楽しむためにも、バカンスだ。1週間以上職場から離れる。そして、家族と一家団欒、そしてボランティアもしよう。自分のためだけに働くのではなく、赤の他人のためにも働くこと。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44284650Z20C12A7MM8000/