働き方を朝型に、夜8時以降の勤務は原則禁止し10時に完全消灯。

(日経「春秋」2013/8/5付) 「朝活」という言葉が広がったのは2009年ごろ。東京駅前で開く「丸の内朝大学」で各種講座に通った人は、4年間でのべ1万人に達したとのこと。朝型人間の増加もヒントになったかどうか。伊藤忠商事が社員の働き方を朝型に変えていくそうだ。夜8時以降の勤務は原則禁止し10時に完全消灯。残業全体の削減、健康増進と並び、夜の居残りが難しく、いま現実に朝早く出勤して仕事をこなしている女性社員の支援を目的に挙げている。世の中を見れば、育児の負担を主に母親が担う家はまだ多い。男性も含め産業界全体が朝型になっていけば、保育園への迎えの分担などもやりくりしやすくなる。家族との対話も増えよう。ただし問題も残る。働く女性が男性に比べ不利な理由の1つに、夜の酒場で交わされる男同士の非公式な情報・人脈の共有やノウハウの伝授が、仕事の出来や評価につながる現状がある。ここが不変なら男性はさっさと帰宅とはいかない。女性は不利なままだ。文化を変えるのは、制度を変えるより難しい。しかし取り組む価値のある挑戦だ。
(JN) 日本文化は妻が夫のための尽くすことを良しとしている。陰日向となく家族のために妻は、母は。そういう考えでは日本社会は変わらないのであろう。夫は家庭を顧みず、男の子はマザコンとなり、男は退職すると濡れ落ち葉か。早起きは実行が可能であろう。また、大企業が行えば、関係会社も見習って行くことにもなろう。問題は家庭の仕事の分業と、酒場の交流の相互理解であろうか。そのためには、その趣旨を理解することの努力をしなければならない。とにかく、まずはできることから実行する。それが朝型労働であるならそれも良いが、冬は辛い挑戦である。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO58113370V00C13A8MM8000/