関西人はケチやから、お金を出すなら口も出します

(日経「春秋」2014/7/21付) この日だけ、自分たちのために運行時刻を変えて走らせてほしい。路線バス会社は面食らったに違いない。何百人という集団が移動するらしい。ならば貸し切りバスという手があるはずだが、依頼主の貴婦人は「それではお金がかかる」と粘った。アジアの留学生に日本の歴史と文化を理解してもらう研修会だという。それならばとバス会社は臨時便を出した。その研修を運営するのは、「熱さまシート」「あせワキパット」などで知られる小林製薬創業家一族が運営する財団である。「私ら関西人はケチやから、お金を出すなら口も出します」。財団を仕切る小林博子さんには夢がある。日本で学ぶ外国人だけでなく、先細る日本の伝統芸能も支援したい。奨学金を受けるのは、反日感情が渦巻く中国の留学生が多い。日本の価値観に触れてもらおうと、小林家の夫人らの案で座禅や礼儀作法の習得を義務づけた。動きにくい政治や古典芸能の世界を変えるのは、こんな「おもろい女性」の発想かもしれない。
(JN) お金は、有効に使う。働いた分はいただく。当たりまえのことである。関西人はケチというのではなく、その価値分で行きましょうという事、そして将来のために投資をする。私のような見栄っ張りにはできないなどと言っていてはならない。お金を大事に使うことを学び、その投資をどのように行うかが、経営者の能力であろう。企業であろうと、NPOであろうと、この資本主義の世の中で暮らすのであるから、この価値基準から逃れることはできない。関東人より関西人、男より女の方が、有能であるという事ではないはずだ。それぞれに智恵を絞り出そう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74541140R20C14A7MM8000/