いったんは日本人オフ・リミットへと法案を修正する方針を

(日経「春秋」2014/10/15付) 「日本人立ち入り禁止」。終戦後の東京などにはGHQ(連合国軍総司令部)が接収したビルやホテル、住宅があちこちに出現した。占領とはなんと無体なものかと泣いた人は多かったろう。銀今国会での成立がとりざたされるカジノ合法化法案をめぐり、利用を外国人に限定する案が浮かんだり消えたりしている。慎重論が少なくないなかで、先週、いったんは日本人オフ・リミットへと法案を修正する方針を決めた。ところがこれに推進派の仲間うちから疑義が噴き出したため、数日後に撤回を余儀なくされた。ずいぶん場当たり的ではないか。そうまでして開帳すべき座であるかどうか、ここはよくよく思案がいる。これからの議論には日本人あまねく、遠慮せずに立ち入ったほうがいい。
(JN) 賭博は、人を魅了する。麻薬と同様である。人々はこの魅力に溺れてしまうので、法で禁止されることが多い。しかし、これから収入を得ようという者には、そんな法律は邪魔である。況して、日本国内で日本人が入れないなど、その法律を破るためにどんなことがまた起きるのか。オフ・リミットとは、原発ではあるまいし、それよりも私たちには、汗かいて働くことが必要だ。泡銭作りは、人を堕落させるなんて、聖人が言うのような言葉であるが、そんなものはいらないでしょ。他に大事なやることがあるはずの議員さんたち、国民の生活について真剣に考えてください。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78407380V11C14A0MM8000/