コンプリートガチャ

  • (日経/春秋)昭和20年代の話。キャラメルの箱に入っていたプロ野球選手カード、監督と選手9人をそろえれば景品がもらえるのだが、出にくいカードもあって、子どもたちはせっせと小遣いをつぎ込んだという。同じような商法は後を絶たず、やがて景品表示法にもとづき禁止の沙汰となる。時は移ろい、いま、その指摘を受けているのがデジタル空間の「コンプリートガチャ」なる仕掛けだ。携帯電話などで遊べるソーシャルゲームの世界。代金は後払い。夢中になって数十万円使うケースもあるという。ソーシャルゲーム関連の会社の株価は大きく下落した。コンプガチャは収益の柱のひとつだというから、消費者庁が違法と断ずれば死活問題なのだろう。せっかくの成長産業なのに、という反発も聞こえる。めったに出てこないのは商道徳、では困る。(12・5・9)=>(JN)コンプリートガチャだけではない。子供も大人も、つい夢中になってしまう。今度こそはと言っているうちに、大枚を失ってしまう。人には欲望があるから発展するし、破滅ももたらす。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E3EBE7E5E0E2E2EBE2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D