雲よ、心あらば邪魔するな

  • (日経/春秋/2012/5/20付)天気図など眺めて、ヤキモキしている人があまたおられよう。あしたは日本の広い地域で金環日食を拝める日なのだ。東京で見られるのは、じつに173年ぶりという。前回観測された1839年は、江戸時代の天保年間だった。大塩平八郎の乱の2年後、そろそろ内外ともに騒然としてくるころである。幕府の天文方はしっかりと記録を残していて、欠けながら昇ってきた太陽はすぐに金環状態になったらしい。関連ビジネスが盛り上がりを見せている。日食通がにわかに増えている平成の世だ。かのリングは神々しいばかりの美しさだというから、お目通りがかなえば大人も子どもも長く記憶に残ることだろう。これがきっかけで天文や宇宙に関心を深め、次代の先端研究を担う若者だって出てくるかもしれない。それにしても、問題はお天気だ。雲よ、心あらば邪魔するな。

=>(JN)天気がどうなるかは自然任せである。これは江戸の時代と変わらない。科学的根拠は江戸時代の人たちより少々知っているが、この自然現象への感動は同様に得られるのであろうが、江戸時代の空はもっときれいであったろう。
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E4E0EAE4EBE2E0E2E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D