ほろ苦い初恋の味 240330

 チョコレートの価格高騰が続いていることに『大観小観(240330伊勢新聞)』は思う▼原因は、主原料カカオ豆の不作だ。世界のカカオのおよそ4分の3は、西アフリカの4カ国、コートジボワール、ガーナ、カメルーン、ナイジェリアで生産されている。それが昨年、温暖化による長雨で、カカオの実を枯らすカビによる「カカオ黒莢病」が広がり、生産量は30%以上も落ち込んだ。その結果、価格は例年の2倍位以上に高騰した▼国際カカオ機関によると、今年もカカオ豆の不作は続く。洋菓子店はいま生き残り競争に必死だ。かつてチョコレートは「ほろ苦い初恋の味」とされたが、もうそんなことは言っていられない。
 (私たちに)届くカカオは西アフリカにふりそそぐ太陽の光と低コストの労働力に依存していたのだろうか。天候を不純にしているのは工業国の炭素排出量によるのか。これまでのカカオのコスト抑制は、西アフリカの子供たちの犠牲によるとも聞く。大好きなチョコレート、天候不良の影響ではなく、価格を適正に安定的にすることが必要だろう。