風の向きに 231115

 再生エネへの行政の姿勢に『大観小観(231114伊勢新聞)』は思う▼中部電力グループの太陽光発電施設を見学したのは五、六年前だったか。広大な敷地にびっしりパネルがならんでいたが、曇天で発電量は少なかった。「一定の再生可能エネルギーの施設が義務づけられていますから」という担当者の口ぶりに不満を感じたのは気のせいか▼前県政で再生エネの誘致を呼びかけ、たちまち施設計画を上方修正したのは周知の通り。南勢では制限条例をつくる自治体や、パネルに家が囲まれた、気温が上がった、イノシシが出没するようになったなどの苦情があった▼パネルの下が野生動物の巣になっているという調査もある。重点施策の結果が何をもたらしたか。しっかり調べておくのも行政の使命だろう。
 (私たちは)いまの欲望に振り回され、なかなか未来の現実を想像できない。そのため地球上の自然は温暖化により森の火災、海の魚の分布変化、気象現象の激化等々。人間社会は戦争、避難民、経済不安定等々。社会や自然のゆがみは更にゆがみを大きくするのか。何を失いどんな未来が待っているのか。人間社会が自然とともにあるために、想像したい。