利用者との距離を遠ざけてはいないか 231023

 消えて行く「みどりの窓口」に『余録(231022)』は思う▲通勤などで立ち寄る駅で、窓口が消えたことに気づいた人も少なくあるまい▲JR各社は駅員が応対しなくて済む自動券売機への切り替えや、ネットによるチケットレス化を進めている▲JR東京駅は丸の内北口1階にあった窓口が今月から閉じられ、外国人旅客向けの窓口になっている。残る五つのみどりの窓口は、平日でもたいてい列ができている▲みどりの窓口は、ガラス越しの駅窓口を通じた切符販売と異なり、オープンカウンターも採用された。これが、旧国鉄のイメージチェンジに一役買ったと前述の「百年史」は記す。急ピッチで進む閉鎖が、利用者との距離を遠ざけてはいないかが気にかかる。
 (私は)思う。多分、人間よりサービス能力の高いシステムが、今後私たちの要求に対応して行くのではないかと▼駅空間に、そんなシステムがあり、或いは自分がもつ端末で相談ができるようになるのではないか。困っていると、目前に「何かお困りですか?」と駅員が現れる▼閉鎖された空間からオープンな空間で利用者に近づいてくる、そんな時代が来る。