生活者から戦地を見詰めよう 231024

 続く紛争、『明窓(231024山陰中央新報)』は戦地を思う▼1980年代後半からパレスチナに通い詰め、イスラエルとの争いによる戦下の暮らしを撮り続けた出雲市生まれのジャーナリスト古居みずえさん▼2001年の米中枢同時テロを境に、激しさを増すイスラムと西欧の衝突に翻弄される現地の情報を、本紙でもこの20年来、節目で紹介してもらった。どちらか一方を悪とする見方をいさめ、常に生活者から戦地を見詰めようとした視点は、ガザ危機が深刻化する今こそ持つべきだ▼古居さんが現地の住民を撮影したドキュメンタリー映画の上映を求める声が交流サイト(SNS)上でアップされている。現地には行けなくとも、危機を共有し、できることはないか。考察とその人なりの実践はできる。
 (私は)思う。日本でも戦争は終わっていない。まだ戦地から古里に帰れない骨がある。生き抜いてきた方々には心の中でその思いは続いていよう。国民への戦災の補償がないままの政府はどこ吹く風か▼地球上は未だ、休戦状態であり、互いにミサイルを敵国に向けている。いつ、自分が戦火の中心になるとも限らない。