この国の文化財行政は 230909

 CF(クラウドファンデイング)での資金集めに『国原譜(230908奈良新聞)』は思う。法隆寺が境内整備費などを募ったCFが、予想を超える資金が集まる。寺院には古くから仏像などの造営で個人に浄財を募る「勧進」の文化がある。檀家がない南都の寺にとっては今後、文化財保護などの資金確保に向けた心強い味方になるだろう。若手研究者らが募った佐紀古墳群の航空レーザ測量資金にも多くの応募があった。国立科学博物館のCFも5億円超の資金が集まり大成功となった。しかし、国の施設であり、本来は国が責任を持つべき。国が「金がないならCFをすれば良い」と思うようになればこの国の文化財行政は終わりだ。
 (私たちは)寄付するという行為をどう思っているのであろうか。CFには何か損得を考えての行動なのか。それとも、大事なものを守ろうと、素晴らしい行動を応援しようという思いからの贈与なのだろうか。その心が大事であり、また国等の行政もその心で、科学を推進し、文化財を守ってほしい。