震災美談 230908

 国立国会図書館がインターネットで公開している「震災美談」(中島司著)に『滴一滴(230908山陽新聞)』は思う▼ポーランドのある歴史博物館を取材で訪ねたことがある。オスカー・シンドラーの工場を改修して活用していた▼あの時代、自分が生きていたらどうしたか▼関東大震災、デマにあおられ、朝鮮半島出身者らが襲われた▼神奈川県の警察署長、大川常吉朝鮮半島や中国から来ていた人ら約300人を署内に保護した▼混乱の中でも人道的な態度を貫いた人々の行動は大震災の翌年に出版された「震災美談」に記録されている▼自分ならどう行動するか。平時に自問してみることがいつか、非常時に冷静さを保つブレーキになるかもしれない。
 (自分は)大勢に流されてしまうだろうか▼日ごろの広言とは裏腹に、小さく見えなくなってしまうだろうか。強い人の後ろで、何か言っているであろうか。大勢と一緒になって流言飛語に踊らされてるだろうか▼否、じっと考える自分を想像してみたい。冷静な自分を形づくって行こう。