『#緑の指』

『#緑の指』<2023年4月5日(水)>
 街角に彩りが戻ってきた。『談話室(230402山形新聞)』は、フランスの作家モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」を思う▼触れた先が何であっても草花を芽生えさせる不思議な能力を授かった男の子、チトの物語だ▼チトは自分の指に宿った力に気付くと、刑務所や貧民街などを花で埋める。人々は和らぎ、希望に満ちる。ある日チトはみんなの大切なものを奪う戦争の存在を知る。家業が世界的な武器工場であることも。戦争を止めるにはどうすればいい。彼は考え、動く▼ロシアの侵攻を受けるウクライナに各国から武器供与が続く。これらの砲身から花の弾が飛び出すことはない。国家の存亡を懸けて抗戦する人々に件のファンタジーは酷過ぎるか。願わくは、季節の花を愛でられる穏やかな日々よ早く。
 (私たちは)いつになったら、大砲工場を花つくりの工場にかえられるだろうか▼お互いに傷つけあうのをいつになったら止められるのか▼みんなの手で、武器を花に変えることができないだろうか▼先ずは自分たちの心を緑にしなければならないだろう。
#みどりのゆび #武器 #花 #戦争 #ロシア