『#区切られた世界から飛び出す』

『#区切られた世界から飛び出す』<2023年4月4日(火)>
 坂本龍一さんの死を『筆洗(230404)』は悼む▼「内藤新宿より青梅まで/直として通ずるならむ青梅街道/馬糞のかわりに排気ガス/ひきもきらずに連なれり」(茨木のり子)▼三歳のある日、冒険を思いついた。青梅街道を横断して家とは逆の方向へ。渡ったはいいが、たくさんの車に怖くなって、帰れなくなった▼坂本さんの三歳の記憶に。通りを思い切って渡り、区切られた世界から飛び出す▼環境問題や平和への主張も通りを渡るその人にとって、横断しやすく、おだやかな世界をつくる願いからだろう▼昨年三月、「東北ユースオーケストラ」の演奏会で坂本さんの新曲「いま時間が傾いて」を聴いた。鎮魂の曲である。傷ついた人の背中をさするために優しい音を、通りを渡って届ける人だった。
 (私は)3月26日、オペラシティーコンサートホールで東北ユースオーケストラが奏でる坂本さんの曲を聴いていた。その時、彼がどんな状況にあったなど知らずに、3・11を思っていた。もっと、彼の活躍を見たかった。思いを残して去って行ったのか。合掌
#坂本龍一 #青梅街道 #三歳 #鎮魂 #いま時間が傾いて