『#その正義の形は』

『#その正義の形は』<2022年10月17日(月)>
 プーチン大統領の「正義の戦い」に『日報抄(221016新潟日報)』は思う▼美と正義の世界が存在するなら、童話の世界でなくてはならないと小川未明。虚構ならば正邪を描きやすい。裏返せば現実はそうはいかぬということか▼人の数だけ、国の数だけ正義がある▼プーチン大統領は、5月の対独戦勝記念日の演説で「正義の戦い」と言った▼欧州では「和平派」と、ロシアが白旗を掲げるまで戦うべきだとする「正義派」に分かれているという。正義派とされるポーランドは、旧ソ連に侵攻された苦い過去を持つ徹底抗戦こそが正義なのか▼「正義は武器に似たもの」と書いたのは芥川龍之介。武器は金を出しさえすれば、敵も味方も買うことができる。正義も理屈をつけさえすれば同じようなものだ、と▼ロシアも自己に都合のいい理屈をひねり出し、正義を振りかざす。テロへの反撃と称して民間施設にミサイルを撃ち込んだ。その正義の形は醜く、ゆがんでいる。
 (私は)思う。この正義とは政治のご都合ではないか▼正義同士で闘って、正義が勝つ。戦争のための正義、そのために原子爆弾さえ正義の味方になる▼2国の戦争に、それぞれ正義の旗を振り、戦争が激化する。何ということだ。正義は人殺しか。
#プーチン,#小川未明,#和平派,#正義派,#芥川龍之介