『#フォーディズム』

『#フォーディズム』<2023年1月17日(火)>
 現場を支える人々の賃金を上げ、分厚い中間層にすべきだ。『春秋(230116)』はフォーディズムと日本の現状を思う▼従業員の日給を2倍に引き上げると、ヘンリー・フォードは1914年に宣言した。生産性向上の果実を労働者に還元し、自社の車を購入できる消費者に▼チャップリンの「モダン・タイムス」の公開に先立ち、自動車王は資本主義の課題を意識していたのだろうか。分厚い中間層が、経済成長をけん引する。この成長モデルを「フォーディズム」と呼ぶ▼経営共創基盤グループ会長の冨山和彦さんは昨年、「日経グローカル」誌上で説いた。現代にふさわしい成長と分配の新たなフォーディズムを日本から発信しよう、と。ユニクロの運営会社は国内従業員の年収を最大4割引き上げるという。変革の波頭だろうか。
 (私たちの)資本主義は大量の消費者で成り立つ。活発な市場がなければ成り立たない▼それなのに労働者の財布にはカネがなく、消費市場が伸びない日本。それでも、企業は賃金アップを渋る▼新しい資本主義の基本は100年以上前と変わらない考えだろうか。カネが動かねば資本主義は潤わない。そんな中、軍事の拡大が進む。国民の生活は置き去りだ。
#賃金,#中間層,#フォード,#チャップリン,#変革