『#苦悩を通して歓喜を』

『#苦悩を通して歓喜を』<2022年11月20日(日)>
 年末近付き『滴一滴(221118山陽新聞)』は第九を思う▼「苦悩を通して歓喜を」。ベートーベンが残した言葉。人は苦悩に負けず、乗り越えることで、真の喜びを得ることができる▼その強い思いを表現したのが「交響曲第9番」。詩人シラーの詩「歓喜に寄す」を引用し、4声の独唱と合唱が人間愛を壮大に歌い上げる▼戦前から日本でも親しまれてきた第9。大曲の演奏会は終戦後間もなく、東京などで再開される。岡山市では1950年10月、東京から日響(現N響)とソリストを招き、アマチュアの合唱団が第9を歌った▼合唱を主導したのは広島大名誉教授の糸賀英憲さん。並外れた行動力と熱意。演奏する側も聴く側も戦争の苦難を思い、平和の尊さをかみしめたに違いない▼今年は3年ぶりの第9公演が少なくない。全国各地で予定されている▼世界を大混乱に陥れた厄災を乗り越え、新たな日常へ―。歓喜の歌声が待ち遠しい。
 (私たちが)この調を本当に一緒に「声を合わせてもっと楽しくうたう」のは、「全世界のひとたちとくちづけをかわし合う」のは、何時になろうか? ▼皆それぞれに身近の不協和音をなんとかしよう。徐々に、互いを理解し、和音を広げて、大合唱しよう!
#年末,#ベートーベン,#第九,#苦悩,#歓喜