#開戦から80年

『#開戦から80年』<2021年12月7日(火)>
 12月8日の「開戦の日」に『滴一滴(211207山陽新聞)』は思う。終戦記念日の8月15日は知っていても、「開戦の日」を心に留める人は少ないのではないか。1941年12月8日、真珠湾攻撃により、太平洋戦争が始まった▼奇襲に参加して戻らなかった5隻の特殊潜航艇の乗組員9人、新聞は「九軍神」とたたえた▼一方、都合の悪い事実はひた隠しにした。実は乗組員はもう1人いた。酒巻和男さんが捕虜第1号となっていた▼手記によれば、米軍の局地的な敗北や政府批判の声までも伝える報道の自由さに驚き、「思慮のある日本人になろう」と決意したという▼後から収容所に入ってくる日本人に命の大切さを説き、覚えた英語で米軍とも交渉した。戦後はトヨタ自動車に入り、ブラジル現地法人の社長などを務め、81歳で生涯を終えた▼酒巻さんの手記を読みながら、メディアの責任の重さをかみしめている。あす、開戦から80年を迎える。
 (私たちは)国の活動について、事実の情報を得ているのだろうか。太平洋戦争の開戦から80年ほど経過しているが、日本政府の情報にかかる管理や公開の在り方は変わっただろうか。公的活動の情報は明らかであるべきだろうが、隠したりゆがめたりしている。困ったものである。
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