『#諦めは禁物だ』<2022年8月28日（日）>
決められぬ「NPT」に『天風録(220828中國新聞)』は思う▲毎年1人、ポスターでヒロシマの心を訴える「ヒロシマ・アピールズ」に一度、米国のウォルト・ディズニー本社から待ったがかかった▲両手で目を隠し、固く口をつぐむ「世界で最も有名なネズミ」らしき姿。石岡瑛子さんの手になる、1990年の作品。「被爆の悲劇を二度と見たくない」。くすぶる核戦争の危機にへの警告でもあった▲あの警告から30年以上。NPT再検討会議が合意点を見いだせぬまま、幕を下ろしてしまった▲げんなりして、わが仕事場を見回すと「アピールズ」の最新作。白地に黒々とした文字で〈NO NUKES NO WAR〉。Oの文字だけ黄色いのは、佐藤可士和さんが、核兵器も戦争も要らない―との声に希望の光を託してのことだと聞いた▲今思えば、黄信号だったのかもしれない。諦めは禁物だが、まだ巻き癖の消えないポスターが不平でも言いたげに、壁で少し反り返っている。
（私だけでなく）多くの人が思っているのではないか。悪者にされた者がそれを認めることは考えられない▲ではどうすればいいのか。ゴールの見えない話し合いを続けるしかないのか▲何がこの愚かな行動を続けさせているのか？ 欲に駆られた為政者をわれわれが認めている間は難しい▲各国民が戦争の愚かさを知り、なぜ戦争を起こすのかを私たちが理解しなければならないのではないか。未来のためみんなで考えて行こう。
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