『#牧野が使った新聞』

『#牧野が使った新聞』<2022年8月17日(水)>
 牧野富太郎が植物採集の際に使った新聞について『談話室(220816山形新聞)』は語る▼子どもの夏休みは終盤、自由研究で昆虫などの標本作りに取り組んでいる小学生も多かろう。植物分類学者の牧野富太郎は約40万点にも上る植物標本を残した▼研究活動を支えた次女鶴代さんが標本作りの大変さを随筆で伝えている。しおれぬうちに標本をこしらえた▼標本作りに活躍したのが新聞紙である。牧野は行く先々で地元の新聞を調達し、採取した植物を挟み込んで乾燥させた。標本を台紙に貼り替えると新聞の役割は終わるが、その“脇役”を東京大が引き取った。現存しない貴重なものが多いと評価され、再び注目されている▼東大は明治以降の546紙を目録化し、データベースを公開。一方、牧野が使った新聞は故郷の高知県にも未整理のまま大量に保存されていることが分かった。当時の世相を現代に伝える一級資料と言えよう。詳細な調査を待ちたい。
 (私は)新聞を読み終わると専用の袋に入れ、資源回収の日に玄関先でお別れする▼あの大量の情報ゆえ、一部を読むだけでゴミになってしまう▼牧野先生のように、思わぬところで未来に貢献することはないだろうが、少しは分類し、面白いスクラップノートを作ることができないだろうか。
#新聞紙
#標本
#自由研究
#脇役
#牧野富太郎