『#非戦の心が現職の大統領に伝わらない』

『#非戦の心が現職の大統領に伝わらない』<2022年7月5日(火)>
 戦争という題材は、いつも過剰な愛国心を刺激する危険を伴っていると『正平調(220705神戸新聞)』は語る。「坂の上の雲」、司馬遼太郎さんは生前、日露戦争の勝利に至るこの物語の映像化を望まなかった。「軍国主義を鼓吹している」との誤解を恐れたと◆トルストイ、生きていれば深く苦悩したに違いない。プーチン大統領が、最も影響を受けた文学作品に「戦争と平和」◆戦争に翻弄される人々の運命を描いた傑作に、プーチン氏は何を感じたのか◆初の実戦に胸を高ぶらせ敵陣に突入したロシアの若者が、何の武功も挙げず、1発の銃弾に頭を射抜かれる◆トルストイは、日露戦争が迫った時期に英国の新聞に投稿し、「私たちは…断崖の縁に近づきつつある」と。そうした文豪の非戦の心が現職の大統領に伝わらないのは、なぜなのか。
 (私たちの)命は何と簡単に失ってしまうのか◆「坂の上の雲」をテレビで見て、どう感じただろうか。まさに、最前線で若者が敵弾で命を失う。それでも、指揮官は兵を鼓舞する◆きょうも戦場で若者たちの命が脅かされる。一方で、老人は愛国心を語る◆この者は自分の命と財産のために、どれだけの犠牲を強いるのか。また、それを利用して他国の為政者たちは、火を大きくしているのか。我々は文学から何を学んでいるのか。
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