『#理屈が通じない相手に』

『#理屈が通じない相手に』<2022年6月16日(木)>
 国連平和維持活動(PKO)協力法、きのう、92年の成立から30年を迎えたことに『河北春秋(220616)』は思う。国連カンボジア暫定統治機構文民警察官として参加していた高田晴行さんが93年5月、カンボジア北西部の国道を5人で移動中、武装グループに命を奪われた。33歳。その前月、国連ボランティアの選挙監視要員だった中田厚仁さんが射殺された。25歳▼若い2人がかの国に赴いたのはPKO協力法に基づく▼派遣目的はPKO参加から対米協力へとシフト。第2次安倍政権では安全保障関連法が施行、自衛隊と米軍との関係は規模拡大▼平和維持という名の下になぜ命を落とさねばならなかったのか▼「平和憲法だけで平和が保障されるなら、ついでに台風の襲来も、憲法で禁止していればよかったかもしれない」。ギリシャ哲学の田中美知太郎さんが残した言葉だ。
 (私たちは)目標を立てたり、ルールをつくるが、その思いの通りに事は進まない。他人それぞれ考えや解釈が異なる。小さな積み重ねで、互いが近づくしかないのか。でも、せっかく近づいても、また離れてしまうことが多い。今も多くの人の命が武力によって失われている。田中美知太郎先生の言葉は痛烈である。紙に書いた平和ではなく、私たちの命が守れる平和には、どうすれば近づけるのか。武力制圧ではないが、武力は必要なのか? それでは互いの相違を埋められない。
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