飛び恥 231217

 きょうの飛行機の日に『天風録(231217中國新聞)』は飛行機の在り方を思う▲120年前のきょう、米国のライト兄弟が動力飛行機の初飛行に成功した。最高記録は59秒間、約260メートルだった▲飛行機は日進月歩で発達。軍隊は熱心に開発を進めた。第1次世界大戦では、機関銃を載せた戦闘機や爆弾を落とす爆撃機。以来、大勢の命を奪い続ける▲そんな戦闘機の開発を「進歩」と呼べるのか。一方、旅客機は便利ではある。巨大な機体が数百人もの乗客を運んでくれる▲だが今、「飛び恥」の言葉が飛び交う。二酸化炭素を多く出し、環境負荷が大きいことへの批判だ。市民の命を奪う爆撃機は飛び恥の極致だろう。恥ずかしくない乗り物へ飛行機を変えられないか。
 (現在)戦地では、無人機が使われている。今後、生身の人間は、飛行機に乗らなくなり、機械仕掛けの戦争の拡大にならないか▲まだ、世界の政治は「バターより大砲」なのか。武力による為政者の権力維持を正当化してはならない。私たちは、平和な空を、いかに二酸化炭素を排出せずに、自由に飛べるか。その環境を考えねばならない。