『金魚を拝むと空襲で死ぬことはない』

『金魚を拝むと空襲で死ぬことはない』<2020年3月10日(火)>
 「作家の吉村昭さんが金魚の思い出について」、『筆洗(200310)』は紹介する。「戦争中に住んでいた・・・家には池があり、・・・見知らぬ女性が金魚を分けてほしいとやって来る。・・・人々の間に・・・『金魚を拝むと空襲で死ぬことはない』。・・・その迷信は広がり、手に入らぬ家では瀬戸物の金魚を仏壇に供えたと聞く。一九四五年三月十日の東京大空襲・・・下町を中心に約十万人が亡くなった。・・・金魚に加え、ラッキョウを食べるのも空襲除けになると信じられていた。・・・庶民には金魚とラッキョウにすがるしかなかったのだろう。新コロナ禍でも怪しげな話が流れる。厳に慎むべき流言飛語だが、金魚を信じた庶民の気持ちが今年は分からぬでもない」。
 (JN) 新型コロナウイルスは正体不明である。こうすれば罹らないとネットに流れてくるが、専門家がわからないことをなぜに流れてくるのか。マスクだって、防止することは難しいが、せめてものお呪いか。1945年の空襲対策はもっと切羽詰まったものであったろうが、金魚にすがったその気持ち、国家の指導者は何と思っていたろうか。東京大空襲から75年、民の思いは変わらず、国家の指導者たちも相変わらずだろうか。
#金魚
#民の思い

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