『月明や沖にかゝれるコレラ船』

『月明や沖にかゝれるコレラ船』<2020年2月6日(木)>
 「昔はコレラによる船舶の沖止めがひんぱんにあったようだ」。『余録(200206)』は今回の大型クルーズ船でのコロナウイルス対策に思う。「乗員乗客数なんと3711人、・・・厚生労働省は残りの乗客も14日程度は船内にとどまってもらうという。楽しい船旅の空間が一転、洋上の隔離施設に変わった乗客の方々にはなんともお気の毒である。・・・今までに何度かノロウイルスの集団感染の舞台となってきた。船会社も感染症対策には神経をとがらせてはいたろうが、新型ウイルスの不意打ちには打つ手がなかったのか。・・・人が大量移動する観光立国の時代が、感染症のアウトブレーク(突発的拡大)の時代と表裏一体なのを改めて肝に銘じるべきだろう」。
 (JN) クルージング、楽しい時間であったろう。それが突然、隔離されるとは。乗客や船員たちは皆が被害者で、不満を持っていきようがない。巨大船は一つの街であり、その中で伝染性の病気が発生すれば、忽ちのうちに街全体に蔓延し始める。それは閉ざされた街ゆえ、他からの隔離はできるだろうが、巨大ゆえ様々な人を抱えており、生活確保が大変である。種々病を持つ人々もおり、そのための対策も必要である。大きくまた娯楽がある船であろうが、こんな状況ではじっと我慢して待つことである。閉じ込められた辛さは幾何か。
#巨大クルーズ船