『英国に新しい大臣が誕生した。孤独担当相という名だ』

『英国にも、新しい大臣が誕生した。孤独担当相という名だ』<2018年1月21日(日)>
 「900万人以上の国民が恒常的に孤独を感じ、地域のかかりつけ医の75%が、寂しさから来院する患者を、日に1〜5人診ているそうだ。孤独は社会の隅々まで染み渡っている」。『余録』(180121)は英国に「孤独担当相」が誕生したことを紹介する。「国内の企業に合計で年間4000億円近い損失を与えるとの試算もあるから、なおさら放置できないようだ。。孤独を指す英単語『ロンリー』の最初の記録は、シェークスピアの悲劇『コリオレイナス』と伝えられる。執筆から4世紀以上たち、情報技術の大進歩でつながったはずの人類だが、実はばらばらになった。21世紀型悲劇とも呼べそうな難題と闘う英国に、無関心ではいられない」。
 (JN) 17世紀の大英帝国の病理をシェイクスピアは、ローマ帝国の建国史を使って描いたのか。当方は教養がないので、語ることができない。ただ思うに、現代の社会が抱えているその孤独は、孤独というより孤立なのであろ。ローマ建国史における闘いの孤独の悲劇ではない。社会からはじき出された弱き孤立者を英国経済の主体的活動者に持ってこられなければ、英国経済の痛手であるという国にとっての悲劇であろう。これは大きなお世話なのか、ありがたいお話なのか。人の精神(国民の未来)への政策なのか、国の懐(今をどうするか)の政策なのか。大臣は今の結果を出さねばならないというこれまた難題の悲劇である。「ぬれ落ち葉」予備軍としては他人ごとではない。