『反目している国同士が手を結んだ』

『反目している国同士が手を結んだ』<2018年1月20日(土)>
 「あす21日は『ライバルが手を結ぶ日』」。『春秋』(180120)は、152年前のこの日に薩長同盟が結ばれたことを伝える。そして、今、「こちらはライバルという生易しい関係ではないが、反目している国同士が手を結んだ」韓国と北朝鮮を思う。「薩長同盟では締結のお膳立てができてなお、面目がじゃまをして両藩とも話を切り出せないでいた。司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』では仲立ちした坂本龍馬が、藩の勢いで勝り優位に立つ西郷に『長州が可哀そうではないか』と一喝する。暴君に付き合わされ食うや食わずを強いられる北朝鮮の民も可哀そうでならない」。
 (JN) 仲が良ければ、手を結ぶ必要がない。反目し合っているからこそ、手を結ばねばならない。況してや、嘗ては同一国であった仲、南北の隔たりを何とか元に戻せないものであろうか。南北と言えば、ベトナムのように悲惨な戦いの末、統一国家になった例があるが、せっかく停戦状態であるのを態々また殺し合いをする必要はなかろう。東西ベルリンのように壁をみんなで崩していくことができないものか。「龍馬がゆく」における薩長同盟の仲裁者がこの南北朝鮮には現れるであろうか。両国の背後にいる国々にはそんなことをしようとは毛頭にもないであろう。しかし、東西問題の狭間に生まれた三十八度線、これには中国、ロシアおよび米国の責任がある。またこの問題のおかげで現在の日本がある。犠牲になっている朝鮮の人たちをいつまでも、かわいそうにと言っていてよいのであろうか。