『米に心を通わせてにぎったからこそ、そのおむすびには、・・・』

<2016年11月24日(木)>
『米に心を通わせてにぎったからこそ、そのおむすびには、人の心を結ぶ力があったのだろう』
 「おにぎりの早食い競争に参加した青年がのどに詰まらせ、命を落とした。食をゲームにする風潮が何とも情けなく、悲しい」と「筆洗」(161124)は語る。食べ物の扱いは命のように大切にしたい。「二月に九十四歳で逝った佐藤初女さんは、死のうと思い詰めた青年に、おむすびの弁当を渡した。後に青年は自殺を思いとどまった。『お弁当を開いたら、おむすびがタオルにくるまれていた』。ラップなどと違い、タオルは熱を吸収する。そんな佐藤さんの心づかいが、他人を思い、自分を大切にする気持ちを青年に思い起こさせた。」
 「食べ物をお粗末にしてはならない」。日本ではそう言われていたはずだが、食べ物を大切にしなくなった。餓死する者が世の中に入る中で、何とも怪しからん。食べ物は、作るものから食べるものまで、食べ物にも命があることを思わねばならない。一つ一つが皆大切な命、それをお粗末にせず、作り上げ、それをちゃんと食べて、自分の命も大切にする。この資本主義の世の中では、その価値が問われていないので、我々生きているものは、命を意識して、それは自分だけでなく他の人にも同様に大切にする、それを忘れてはならない。(JN)