『色のない地球儀』

<2016年10月7日(金)>
『色のない地球儀』

 東京帝国大学が、特大の地球儀をベルギーに注文した。それは1928年、そして9年後に届いたのは白い地球儀であった。「筆洗」(161007)は、薄久代さんは著書『色のない地球儀』を紹介する。「この地球儀こそは『日本への無言の警告』であり、そこには『不気味な無言の語りかけ』が潜んでいたのではないかと指摘している」と。そして、「今、私たちが思い浮かべなければならぬのも、色のない地球儀かもしれない。地球温暖化が進めば、海面の上昇で消える島国もあろう。異常気象は、発展途上国にさらなる貧困と紛争の危険をもたらすだろう。日本政府は『パリ協定』の発効にも乗り遅れそうだという。安倍政権はどんな地球儀を眺めているのか」と。

 地球上に住む者は多様な考えを持っているが、地球環境への取り組みは一緒になって行わねば、温暖化等への改善は困難である。その行動は、互いの国境を越えシームレスに手を組み進んでいかねばならないのに、なぜに日本は乗り遅れようとするのか。人間は自分たちの欲望のために自然を破壊し、自然環境を悪化させている。そして、その悪化の被害を受けるのは弱い者たちである。弱き者は新たな環境を求めようとすると、富める者と思っている者たちはこの弱き者を排除しようとする。トランプ的発想では排除の繰り返しであり、地球は真っ黒になってしまうのではないか。(JN)